DeFiってなんぞや
こんにちは、会計士の岡内です。
皆さんは、前回の仮想通貨((暗号資産)、以下面倒なので仮想通貨)バブルを覚えていますか?
2017年の年末から年明け頃にかけて大きく上昇し、コインチェック事件を機にバブルは崩壊しました。あの時の記者会見を見ていた方も多いのではないでしょうか?
そんな仮想通貨界隈ですが、最近は市場が活況です。今回、GWはステイホームを求められたので、折角だから仮想通貨におけるDeFi(ディーファイ)について自分なりに勉強しました。なお、ここに記載されている内容は勉強段階のものであり、間違った記載が含まれる可能性があります。その点にご注意ください。
昨年末から仮想通貨は大きく値上がりしている
さて、昨年末から仮想通貨の値上がりが目立っています。4月末時点で、年初から50倍を超える銘柄も存在しています。
今回がバブルかどうかの議論はしませんが、この値上がりで相当な含み益や売却益を得た方も一定程度はいると思います。
いわゆる、『億り人』と呼ばれる方も今年は多いかもしれません。
この流れに貢献しているのがDeFi(ディーファイ)です。
DeFi(ディーファイ)とは
DeFi(ディーファイ)とは、『Decentralized Finance』の略で、分散型金融と呼ばれています。
ブロックチェーン上で金融取引などを行う技術で、実行から記録など全てがブロックチェーン上で行われます。この技術は、対個人間での金融取引などを可能にするものらしいです。具体的には、仮想通貨の売買ですね。
このDeFiの技術を使った仕組みとしてDEXというものが登場します。『Decentralized EXchange』の略で、分散型取引所と呼ばれています。このDEXにおける流動性マイニング(流動性の提供)が、DeFiの人気を集めたようです。
流動性マイニング(流動性の提供)とは
流動性マイニング(流動性の提供)とは、ある2つの仮想通貨をペアにして双方をその時点の同一価値でDEXに預けることをいいます。
具体例として、1BTC=55,000ドル、1ETH=2,500ドルとした場合、0.5BTC:11ETHのペアでDEXに預けるというパターンです。
何故この様なことをするかと言えば、より取引を円滑にするためです。
DEXに預けられた先ほどの仮想通貨は、プールに保管されます。そして、取引を希望する人は、このプールから注文分の仮想通貨の取引を行えばよいということになります。このプールが大きければ大きいほど、より多くの取引が可能となり、取引が活発になればなるほど、参加者や取引手数料が増えるという循環になります。
そして、この取引手数料をDEXの運営者と流動性の提供者に分配するという仕組みです。結果的に、この分配利回りが相当インパクトのある数字だったため、DeFiに注目が集まり、仮想通貨の値上がりに貢献したというわけです。
流動性マイニング(流動性の提供)の所得税法上の税務処理は?
DeFiやDEX、流動性マイニングについて調べている段階で、これの損益処理、具体的には所得の計算はどうすべきかという疑問にぶつかりました。
流動性マイニングの結果、得られる利息やトークン(仮想通貨)はその獲得が確定した時点で日本円での利益として計算すべきだろうというのは分かります。要するに、普通のマイニングと一緒だからです。
問題は流動性マイニングから資金を引き揚げた時の変動損失(インパーマネントロス)が実現した時の取扱いです。(今回は変動損失(インパーマネントロス)の話しは省略します)
DEXに預けた仮想通貨のペアは、市場の値動きの結果、ほぼ間違いなく返還枚数が変動し且つ損失が発生します。これはDEXの仕組み上、避けられないものらしいです。だからこそ、流動性マイニングの利率はインパクトのあるものになります。基本的に、『返還時のトータルの損失≦貰える手数料や利息』になるはずです。そうならないと、DEXに流動性を提供する人はいません。
この返還時の処理ですが、流動性プールから資金の返還を受けて損失が実現した時に、その時点の日本円評価額で損失を認識するものと考えられます。ただ、返還時に通貨数量が増減してしまうので、その後の仮想通貨の取得価額の計算にまで影響を与える結果、非常に面倒な取引になります。ここを理解せずに取引を行う方が相当数いると思います。本当に面倒な処理です。ちゃんとツールを使うなりして管理しましょう。
2021年5月25日追記
当事務所では、取引データから損益計算を行う等の計算代行のサービスは現在提供していません。ご注意ください。