こんにちは、会計士の岡内です。

大寒が近づいてきて、寒さ厳しい日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。

さて、通常国会が開会し補正予算の審議が始まります。今回は、それに含まれる中小企業等事業再構築促進事業についての記事を投稿したいと思います。

中小企業等事業再構築促進事業

中小企業等事業再構築促進事業とは、新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦に対して補助金を支給する事業になります。

応募要件

応募するには、下記の条件を全て満たす必要があります。

1. 申請前の直近６か月間のうち、任意の３か月の合計売上高が、コロナ以前の同３か月の合計売上高と比較して10％以上減少している中小企業等。
2. 事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
3. 補助事業終了後３～５年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0％)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0％)以上増加の達成。

補助額並びに補助率（中小企業）

通常枠・・・補助額 １００万円～６,０００万円　補助率２／３

卒業枠・・・補助額 ６,０００万円超   ～  １億円　補助率２／３

なお卒業枠は400社限定です。事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠として設定されています。補助額も大きいですが、ハードルも高いです。

補助額並びに補助率（中堅企業）

通常枠・・・補助額 １００万円～８,０００万円　補助率１／２（４,０００万円超は１／３）

グローバルＶ字回復枠・・・補助額 ８,０００万円超～１億円　補助率１／２

なお、グローバルＶ字回復枠は100社限定です。こちらは応募要件が他と比べて更に厳しい特別枠になっています。具体的には下記のとおりです。

1. 直前6か月間のうち任意の３か月の合計売上高がコロナ以前の同３か月の合計売上高と比較して、15％以上減少している中堅企業。
2. 補助事業終了後３～５年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
3. グローバル展開を果たす事業であること。

どういった応募を想定しているのか

今回の補助金については、国はどういったものを想定しているかというと、例えば以下のようなものがあります。

小売業

衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少。店舗での営業規模を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換。

製造業

航空機部品を製造していたところ、コロナの影響で需要が減少当該事業の圧縮・関連設備の廃棄等を行い、ロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に立上げ。

飲食業

レストラン経営をしていたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少店舗での営業を廃止。オンライン専用の注文サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応。

これらの事業転換等を行うことに、補助金を出すという流れになっています。ものづくり補助金はどうしても製造業がメインになっていましたが、今回の補助金は製造業以外の応募を当初から想定しているものになります。

補助対象経費

補助対象経費については、建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費（加工、設計等）、研修費（教育訓練費等）、技術導入費（知的財産権導入に係る経費）、広告宣伝費・販売促進費（広告作成、媒体掲載、展示会出展等）等が含まれます。

これらの具体例は中小企業庁のパンフレットに記載されているもので、実際の公募段階では変わる可能性もあります。しかし、建物に関する経費が含まれている点が大きいです。ものづくり補助金では建物は含まれていませんが、今回の事業再構築促進事業では含まれることになっています。これで、店舗の工事なども可能となり、事業の転換などで必要となる経費の補助が可能となっているわけです。

事前相談受付中

当事務所においては、『中小企業等事業再構築促進事業』に関する事前相談を受け付けています。この補助金に応募をご検討の方は、是非一度ご相談ください。初回相談は無料です。

ものづくり補助金と異なり、今回の補助金は準備する資料などが多くなることが予想されます。そのため、事前準備が大切です。また、新しい政策の第一回目の公募は採択率が高い傾向にあります。そのため、早い段階からの準備が重要になるわけです。

ご相談はお早めにされることを強くオススメします。