付加価値とは
新年あけましておめでとうございます。会計士の岡内です。
年明け早々から、緊急事態宣言の発令ニュースが飛び交うなど、大変な状況になっています。
税制大綱では、コロナの納期特例は延長しないということになっていますが、再発令となれば話しが変わってきますので、急遽延長ということにならないのでしょうか。
さて、今回は付加価値についての記事を書こうと思います。経済産業省系列の補助金で、よく見る例のアレです。
付加価値とは
付加価値とは、企業が生産活動によって生み出した価値であり、企業の総生産額から、その生産のために消費した外部調達に関する額を差引いた額を言います。
この付加価値ですが、色々な場面で出てきます。しかし、文脈からその意味が異なることが多いです。特に『付加価値を付けて売る』という表現は、何か新しい価値をモノやサービスに新たに付け加えて売るというニュアンスで使われます。これは上に書いた定義とは少し意味合いが異なっています。
ここでは、ものづくり補助金や経営革新計画で用いられる方の付加価値について解説します。
付加価値の計算式
付加価値の計算式は、主に2つあります。それは『加算法』と『控除法』です。
実務上、『加算法』が用いられることが多いと思います。理由は計算が簡単だからです。
加算法の計算式は、『付加価値 = 経常利益 + 人件費 + 賃借料 + 減価償却費 + 金融費用 + 租税公課』です。俗に日銀方式と呼ばれます。
控除法の計算式は、『付加価値 = 売上高 - 外部購入価値』です。俗に中小企業庁方式と呼ばれます。
計算式を読んでもらえば分かるとおり、加算法は決算書の項目からサクっと拾えますよね。だから電卓と決算書があれば簡単に計算できます。
逆に控除法はどうでしょうか。『外部購入価値』をどう考えるかで悩むはずです。だから実務では簡単な加算法が用いられることが多いのです。
ものづくり補助金の付加価値は?
ものづくり補助金で求められる付加価値は、加算法によるものが用いられています。しかし、日銀方式とは異なり、『付加価値=営業利益+人件費+減価償却費』となっています。そのため、日銀方式の付加価値とは額が異なります。まぁ、計算する方は、単純に電卓を叩く回数が減るので楽ではあります。
中小企業等事業再構築促進事業の付加価値は?
『中小企業等事業再構築促進事業』が第三次補正予算で組み込まれました。これについては、付加価値額又は従業員1人当たり付加価値額を年率平均3%(一部5%)上昇させることが成果目標になっています。
ここでの付加価値については、多分、ものづくり補助金と同じ計算式を踏襲することになるのではないでしょうか。私の勝手な考えですが、お役所的には前例を踏襲するのが大好きなはずです。
別に日銀方式で計算しても私は構いませんけどね。ちなみに、1人当たり付加価値額は付加価値労働生産性と呼ばれます。
補助金の応募準備はお早めに
ものづくり補助金は通年公募になったので、随分時間に余裕が出来ましたが、新しく開始される補助金についてはどういうスケジュールになるかは不明です。予算規模としては複数年の公募になるとは思いますが、応募を検討しているなら、準備だけは早めにしておくことを強くオススメします。