事業再構築補助金の審査は渋い
こんにちは、会計士の岡内です。
先週、事業再構築補助金の一次公募の採択発表がありました。
個人的な感想を書きたいと思います。
申請2.2万件に対して採択8千件
採択率でいえば約36%でした。これは特別枠とそれ以外の合計です。分離すると、特別枠は申請件数5,181件に対して採択件数2,866件で採択率約55%、特別枠以外は申請件数17,050件に対して5,150件で採択率約30%でした。
第一回目の公募だったので、ご祝儀としての傾向が入っているものと考えられます。通常、始まったばかりの制度というのは成果を出さないと具合が悪いので、それ相応の対応をする傾向にあるからです。
特に、特別枠は加点措置が大きく、採択させる方向で審査を行ったものと考えられます。この辺はなんとなく予想出来た結果です。そして、通常枠などの特別枠以外の採択率30%は、我々の業界でも予想されていた通りの結果でした。事前予想では、20%~30%で推移するのではないかと言われていました。
結論として、まぁ、こんなものだろうという感覚です。ただ、採択率からすると、渋めの補助金というのは間違いなさそうです。
採択率よりも足切りにインパクトがある
採択発表に併せて、実は要件の未達成など足切り件数も公表されています。特別枠では855件(約16%)、それ以外では2,137件(約12%)です。申請件数に対して1割以上が足切り判定を受けています。これはかなりの件数です。『認定支援機関が支援したにもかかわらず足切りとはなんぞや』、という話しです。顧問税理士などが中身を確認せずに確認書だけ出したのか、はたまた着手金詐欺なのか・・・
一次公募に関しては、指針の改訂が公募開始後に発生したため、そこで申請要件が突如変わっています。これによる要件未達成などはあるかもしれません。また、とりあえずダメ元で出してみようという案件もあったと思います。それでも、1割以上が足切りというのは多いというのが個人的な感想です。
重複案件の調査も行われている
事業再構築補助金の公式サイトにおいて、採択された案件の中に重複案件が疑われるものがあり調査中とのアナウンスが出ています。いわゆるコピペ疑惑です。事業計画の策定を支援している側が、コピペでもしたのでしょうか?
厳正に対処すると記載されていますが、不適切と認められれば採択取消しになると思います。認定支援機関がこれに関与していた場合、その認定支援機関が関わった案件が全てチェックの対象となり、交付決定の遅れや採択取消しに繋がるかもしれません。