iDeCo(イデコ)とは?
最近、書店や金融機関でもよく見かけるようになった個人型確定拠出年金ですが、皆さんはどういう制度がご存じでしょうか?
一般的には、頭文字を取ってiDeCo(イデコ=individual-type Defined Contribution pension plan)と呼ばれています。日本の年金制度を補完する目的で制度化されました。米国の法律にちなんで、401kとも呼ばれます。
この制度は、毎月決まった掛金を払込み(確定拠出)、そのお金を自分で運用し、将来の退職金や年金を受取るという制度です。そのため、払込んだお金をどう運用するかで、将来受取る金額が変動します。リスクを取った運用をすれば大きく儲かるかもしれませんし、その逆もあり得ます。もちろん、定期預金といった元本保証商品で運用するという方法も選べます。
以前の法律では、個人事業主や一部の会社員しか加入できませんでした。しかし、2017年1月1日から、原則として、誰でも加入できるようになりました。では、何故ここまで書店や金融機関で目にする機会が増えたかと言うと、節税効果が大きいからです。
iDeCoの掛金は所得控除として、事業所得や給与所得の合計から差引くことになります。そして、実際に受取る時には退職所得や公的年金等の雑所得という取扱いになります。ご存じの通り、退職所得や公的年金等の雑所得は、税制上優遇されています。そのため、しっかりしたタックスプランを組むことで、十分な節税効果を得ることが可能になるのです。
例えば、年間の課税所得が400万円の方が月々2万円拠出した場合の簡易計算は以下の通りです。
所得税 (A) |
復興特別所得税 (B) |
住民税 (C) |
実効税率 (D)=A×1.021+(C) |
掛金年額 (E) |
節税額 (F)=(D)×(E) |
20% | (A)×2.1% | 10% | 20%×1.021+10%=30.42% | 240,000円 | 73,000円 |
上表の通り、毎年73,000円(百円未満切捨)の節税効果があることが分かります。定期預金で運用するとすれば、167,000円(240,000円-73,000円)を支払うと240,000円貰える権利が支払時に確定する訳です(金利、手数料等は考慮外)。株式投資では考えられないようなリターンです。
iDeCoは老後に受給することが大前提です。そのため、原則、中途解約して現金化することは出来ません。老後まで資金が拘束されるので、大きな支出(出産・子育て・住宅など)が近い将来予想される場合は、加入は慎重に検討して下さい。