小規模事業者持続化補助金の分析
こんばんは、会計士の岡内です。
昨日、小規模事業者持続化補助金の採択発表がありました。採択された方、おめでとうございます。
採択者一覧にザっと目を通したところ、知ってる名前がチラホラ・・・
折角なので、日本全国の採択情報を集計し、分析をしてみようと思います。
集計した結果は下表の通りです。
都道府県名 | 採択合計 | うち個人事業主 | 占有割合 |
北海道 | 465 | 221 | 47.53% |
青森県 | 141 | 78 | 55.32% |
岩手県 | 261 | 151 | 57.85% |
宮城県 | 230 | 109 | 47.39% |
秋田県 | 215 | 109 | 50.70% |
山形県 | 352 | 174 | 49.43% |
福島県 | 262 | 111 | 42.37% |
新潟県 | 402 | 207 | 51.49% |
富山県 | 230 | 101 | 43.91% |
石川県 | 236 | 116 | 49.15% |
長野県 | 474 | 226 | 47.68% |
茨城県 | 431 | 232 | 53.83% |
栃木県 | 306 | 143 | 46.73% |
群馬県 | 643 | 310 | 48.21% |
埼玉県 | 593 | 261 | 44.01% |
千葉県 | 341 | 151 | 44.28% |
東京都 | 1,201 | 356 | 29.64% |
神奈川県 | 500 | 207 | 41.40% |
山梨県 | 192 | 92 | 47.92% |
静岡県 | 622 | 284 | 45.66% |
岐阜県 | 568 | 266 | 46.83% |
愛知県 | 945 | 433 | 45.82% |
三重県 | 369 | 183 | 49.59% |
福井県 | 304 | 157 | 51.64% |
滋賀県 | 372 | 216 | 58.06% |
京都府 | 410 | 177 | 43.17% |
大阪府 | 723 | 302 | 41.77% |
兵庫県 | 776 | 373 | 48.07% |
奈良県 | 358 | 218 | 60.89% |
和歌山県 | 193 | 125 | 64.77% |
鳥取県 | 52 | 31 | 59.62% |
島根県 | 319 | 165 | 51.72% |
岡山県 | 508 | 223 | 43.90% |
広島県 | 408 | 185 | 45.34% |
山口県 | 187 | 104 | 55.61% |
徳島県 | 194 | 95 | 48.97% |
香川県 | 178 | 82 | 46.07% |
愛媛県 | 264 | 144 | 54.55% |
高知県 | 204 | 126 | 61.76% |
福岡県 | 658 | 360 | 54.71% |
佐賀県 | 158 | 63 | 39.87% |
長崎県 | 254 | 148 | 58.27% |
熊本県 | 509 | 229 | 44.99% |
大分県 | 214 | 111 | 51.87% |
宮崎県 | 192 | 108 | 56.25% |
鹿児島県 | 449 | 234 | 52.12% |
沖縄県 | 219 | 129 | 58.90% |
総計 | 18,082 | 8,626 | 47.70% |
上表の通り、採択件数は18,082件でした。申請数件数が26,910件だったので、採択率は67.19%だったことになります。要するに2/3は採択されたということなので、例年に比べれば随分採択されやすかったのではないでしょうか。
採択件数の上位5都府県は、東京都(1,201件)、愛知県(945件)、兵庫県(776件)、大阪府(723件)、福岡県(658件)でした。やっぱ東京は多いですね。流石は日本の中心といったところでしょうか。
翻って採択件数の下位5県は、鳥取県(52件)、青森県(141件)、佐賀県(158件)、香川県(178件)、山口県(187件)です。鳥取県は全国で唯一の二桁となっています。46位との差は約3倍、お隣の島根県には約6倍の差を付けられています。もう少し採択件数あっても良いような気がしますが、何があったんでしょうか。月曜の某深夜番組でネタにされないか心配です。
採択件数に占める個人事業主の占有割合は、概ね半々となっていますが、東京都は目に見えて低いですね。法人の申請件数が多かったんでしょうか。スタートアップする企業も多い地域なので、法人を立ち上げて広告宣伝費をこの補助金で賄おうとした可能性が考えられます。
スペースの関係で上表では載せていませんが、都道府県別の商工会議所・商工会別の集計もあります。平均採択割合はほぼ半々ですが、都道府県別で見ると結構偏りがあります。ただ、地域性が出るのでこればかりは仕方ないのかなと思います。
個人的に気になったので、補助事業名で、『ホームページ』、『ウェブサイト』で集計したところ、711件がヒットしました。ホームページを作って集客するという計画での採択は難しいという話しは、本当っぽいですね。補助事業名では『ホームページ』や『ウェブサイト』という単語を使っていないが、実際はサイトの構築という案件はあると思います。しかし、711件からどれだけ増えるかと言えば、やっぱり採択は厳しそうな感じがしますね。商工会議所サイドも、ホームページは難しいと言っているくらいですし、勝ち目の薄い勝負に労力を投入する位なら、本業に投入した方がいいかもしれません。
ところで、二次公募についてですが、正直期待出来ないかなと思います。何故なら、当初予算120億円に対して消化見込みは約90億円(50万円×18,082件)であり、これに連携体申請や増額申請を加味すれば、概ね予算は使い切ったと考えられるからです。仮に二次公募があるにしても、相当狭き門であることが予想されます。そのため二次公募はあまり期待できないのではないでしょうか。
採択結果が発表され、採択された方にはじきに交付決定通知書が届くと思います。当然ですが、それが届くまでは(正確には交付決定日まで)契約や発注などは一切出来ません。うっかり補助事業期間外にスタートしてしまうと、補助金は一切出ませんのでご注意ください。