JETROのベルリン事務所を訪問してきました。
こんにちは。会計士の岡内です。
先日、出張でドイツへ行ってきました。時差が7時間もあるので、時差ボケが結構辛かったです。
さて、出張に際して、JETROのベルリン事務所を訪問しました。ドイツの経済情勢や日独や日欧の関係などの全般的な話しから、最近の支援施策などの具体的な話しを伺ってきました。色々と興味深い話しも聞けたので、ちょっと書いてみたいと思います。
労働者は裏を返せば消費者である
ドイツでは、労働規制とかで日曜日は原則休みじゃ無きゃいけない、深夜営業はダメといったことが法律で決まっているようです。だから、ドイツにコンビニは無いですし、日曜日はお店がほとんど休みってこともあるそうです。
これは、労働者は消費者でもあり、適切な賃金と余暇を与えれば消費をし、結果として企業は利益と税金を計上し、国家は税収を社会に還元することで社会全体が上手く回るという考えが根底にあるからじゃないかということです。
売手良し、買手良し、世間良しという三方良しの精神です。
なるほどって思いました。日本では、サービス残業や休日出勤は常態化してますし、賃金の伸びに対して社会保険料率や消費税率がかなりのスピードで伸びています。その結果、個人が自由に使えるお金は全然増えてません。残業代が法律通り満額出てればまだマシですが、それすら出ていない上、生活必需品の値段は上がる、仮にお金はあっても使う暇は無い、という状況です。そりゃ日本の内需は伸びませんって話しです。
こんな状況もあってか、日本は今、働き方改革で労働環境を大幅に変えようとしてます。罰則付きの残業時間規制などなど。
今、小学生くらいの子供達が大学を卒業する頃には、ドイツっぽい労働環境になってるかもしれませんね。
見本市大国としてのドイツ
見本市と言えば、日本なら東京ビッグサイトやインテックス大阪で開催されている展示会を思い浮かべる方も多いと思います。
ドイツでは、世界トップクラスの専門見本市の2/3にあたる150以上の見本市(自動車、産機、IT、航空・宇宙、医療、日用品など)が開催されています。しかも、大都市に限らず地方都市でもそれらが開催されており、世界中から該当テーマの見本市にトップクラスの出展者、バイヤーが集うと言われています。
そのため、ドイツの専門の見本市に行けば、そういった方々に直接説明や交渉を行うことが出来ます。この魅力がかなり大きいため、自社の技術力やノウハウを売り込む中小企業も多く参加するらしいです。
そりゃそうですよね、自分の商品や技術を世界トップクラスの方々に直接披露出来る訳ですから。
JETROでは、出展に興味のある中小企業からの相談を歓迎しており、『少しでも気になれば是非ご相談を!』とのことでした。
日EU・EPAで輸出のチャンス!
各メディアでも報道されているとおり、来年の初め頃にはこの協定が発効するようです。
この結果、何が起こるかと言えば、国内企業がドイツを含むEU諸国へと輸出するのに必要な関税が下がったり、関税自体が撤廃される品目が出てきます。
ドイツだけの話しにはなりますが、在ドイツ日系企業の部品・原材料の調達先の約1/2弱は日本となっています。製造業だけに限定すれば1/3強です。要するに、ドイツにある日系企業はかなり大きい割合で日本から部材等を調達していることになります。
ここでEPAが発効して、関税が下がったり撤廃されれば、日本からの調達割合が増えるのではないかと予想されます。単純に調達コストが下がりますからね。だからこそ、輸出を増やすチャンスという訳です。
JETROは日本の中小企業の海外進出を後押ししている
今回、JETROのベルリン事務所に訪問し、JETROが日本の中小企業にどんな支援をしているかというお話しを少しですが聞いてきました。日本は少子高齢化で市場が縮小していくので、国外に進出することがますます重要になってきます。
『ウチみたいな零細企業が海外なんて・・・』、と考える前に、自分たちの商品や技術で、海外に輸出できるようなものが無いか相談するもの悪い話しではないと思います。
『海外進出をお考えの中小企業の方がいれば、是非JETROに相談して下さい!』、とのことですので、気になった方は一度ご相談してみてください。