コインチェック事件
こんにちは。会計士の岡内です。
先週発生したコインチェックの流出事件ですが、被害額が580億円ととんでもないことになってますね。海外のニュースサイトを見ると、盗難による被害額が史上第1位だそうです。被害に遭われた方、心中お察しします。
さて、昨年は仮想通貨で大儲けした方も多数いらっしゃる様ですが、この事件に関係する話しとして納税資金の凍結について書こうと思います。
ご存じのとおり、コインチェックはJPYを含む全ての出金を停止しています。昨年、多額の利益を計上しており、納税資金を日本円や仮想通貨でコインチェックに預けたままにしている方がいると予想されます。こうなると、他の取引所や銀行口座に十分な残高が無い限り、その方は納税の見通しが立ちません。
でも、税金は払う必要があります。こんな場合はどうすればよいでしょうか?
結論から言えば、税務署へ個別相談をするのが手っ取り早いのではないかと思っています。どうやっても無い袖は振れないからです。
3月上旬までに出金制限が無制限に解除されれば、問題は無いのかもしれません。しかし、今のところ、コインチェックは返金のお金はあると言うに留めるだけで、実際の返金や出金については何の目処も立っていないのが実情です。こんな状況であれば、一切戻ってこないという前提で行動しておくべきでしょう。
これから確定申告が始まり、税務署も繁忙期に突入します。相談したくても税務署側に余裕が無ければ相談も受けられません。早め早めに行動し、解決策を検討することをオススメします。
<平成30年1月29日 16:45 追記>
本日付で、関東財務局からコインチェック社に対して業務改善命令が発出されました。改善の報告期限は平成30年2月13日までです。
改善命令の中に、『顧客への適切な対応』という項目があります。これは、具体的な返金の時期や方法、送金再開の具体的な時期や内容を含んでいるものと考えられます。
もし、コインチェックがここで不十分な報告をすれば、処分が更に重くなることが想定されます。この場合、業務停止命令や仮想通貨交換業者の登録の拒否に繋がるでしょう。